油汚染土壌の対策ガイドラインに準拠 油膜・油臭の問題を解決する

ディーシーアールシステム株式会社
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カルコアによる油の不溶化メカニズム
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生石灰と脂肪酸から構成された「反応遅延性生石灰」”カルコア(別称:スタビ)”による、油(および重金属)の不溶化メカニズムを説明いたします。


1.カルコア(スタビ)の構造

カルコアは、酸化カルシウム(CaO)の塊である生石灰粒子の表面に脂肪酸がコーティングされています。

カルコアの構造

2.カルコア(スタビ)の特長

通常の生石灰では、水に接触するとすぐに水和反応が起こりますが、カルコアは表面が脂肪酸でコーティングされている為、水に触れただけでは反応しません。

水和反応1

水和反応2

従って、土壌等に混合した場合、均一な混合状態が形成されます。

土壌とカルコアの均一な混合状態



3.不溶化の流れ

(1)初期反応(水和反応)

土壌を物理的に混合・攪拌すると、コーティングされていた脂肪酸が次第に剥がれだします。そして、カルコア内部の生石灰(酸化カルシウム)と土壌中の水とが接触し、発熱とともに消石灰(水酸化カルシウム、Ca(OH)2)が生成されます。

生石灰が消石灰に変わる際には、石灰の表面積は著しく増大します(1gの生石灰は,表面積が約200,000~400,000cm2の消石灰になります。400,000cm2 = 縦2m(200cm) x 横20m(2,000cm))。生石灰は”Quick Lime”と称せられるように、この水和反応は非常に急激です。

但し、カルコアの場合は、生石灰が脂肪酸でコーティングされていることによって、水和反応は急激に起こらず、ゆっくりと進行します。言い換えれば、石灰の表面積がゆっくりと増大するということです。この特性から、カルコアは「反応遅延性生石灰」とも呼ばれます。英語で言えば、"Slow Reactive Quick Lime"となるでしょうか。

発熱状態(100℃前後)の中で軟化されることも相まって、土壌中の油成分は、ゆっくりと表面積が増大する消石灰粒子の表面に吸着されながら、微細な粒子となり、分散(dispersing)されます。

分散状態となって、消石灰の表面に吸着した油分は、もはや油としての性状・性質を失い、油のもつ問題(油膜や油臭の発生)を抑制します。油の問題に関しては、この初期反応の段階で、ほぼ抑制することが可能です。

生石灰と脂肪酸というシンプルな素材を使い、水和反応というシンプルな化学反応を利用して、高度な分散処理を起こすわけです。

この分散処理は、「化学反応による分散」 "Dispersing by Chemical Reaction (DCR)" と呼ばれており、油のみならず、これまで処理が困難であった廃棄物の処理や重金属の不溶化にも応用されています。

化学反応による分散(Dispersing by Chemical Reaction, DCR)に関する補足説明



反応遅延性生石灰による分散反応



油の不溶化・固定化は、以下に説明する反応によって、時間の経過とともにさらに促進されます。


(2)造粒反応(この反応により粘性土の塑性が低下し、土質改良の効果もあります)

a) 溶融造粒反応

水和反応時の膨張による造粒効果に加え、カルシウムのアルカリ雰囲気により、土壌中に存在する可溶性シリカや脂肪酸のバインダ効果により、消石灰と土粒子の凝集体ができます。

溶融造粒反応

b) イオン交換反応

カルシウム(陽イオン)と土壌(陰イオン)のイオン交換反応により、土粒子が電気的に凝集します。

イオン交換反応


(3)安定化反応(この反応により、重金属や油の不溶化が促進されます)

a) ポゾラン反応

カルシウムイオンを吸収した土粒子(粘土鉱物)が、さらに消石灰と反応して、長い間に安定な結晶鉱物を生成しながら硬化する反応をいいます。その効果は長期的に、耐久性、安定性を得ることができます。
土壌中に存在するシリカ(SiO2)とアルミナ(Al2O3)が、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)と常温でゆっくり反応し、結合能力をもつ化合物を生成する現象です。

ポゾラン反応

b) 水酸化反応

消石灰(Ca(OH)2)中の水酸化イオン(OH-)と重金属イオン(R+)が結合して、安定した水酸化物を作ります。この技術は、鉱山から排出される有害重金属を含んだ排水を無害化する際に主として使用される技術でもあります。

水酸化反応

c) エトリンガイト反応

土壌中に石膏(硫酸カルシウム)成分が存在する場合、エトリンガイトという結晶鉱物を生成します。この生成物が土粒子間に架橋を形成し、土粒子が固結します。同時に、結晶中に重金属類を取り込みます。

エトリンガイト反応

d) 炭酸反応

造粒反応により凝集体表面に存在する消石灰(Ca(OH)2)は、気相中の二酸化炭素(CO2)と反応して水酸化カルシウム(CaCO3)に変化して、表面に貝殻のような被膜を形成します。


炭酸反応



4.全体

以上の現象が、全体的にあるいは部分的に生じ、トータルとして油類や重金属を安定化させます。
これらの一連の流れにより、油や重金属を含む土粒子は、最終的に以下のような凝集体が擬似粒子としていくつも存在し、時間が経過すると共に、水酸化カルシウムの炭酸カルシウム化の進行により、更に安定化します。

カルコアによる油、重金属の固定化、安定化






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